プロ野球は1日、宮崎、沖縄両県で6日に始動する西武を除き11球団がキャンプインした。

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月8日に5類に引き下げられるのを前に感染対策の緩和も進み、入場者は最大7000人程度とするヤクルトを除いた11球団で制限をなくした。全球団で来場者に事前登録の必要がなくなり、コロナ禍で禁止されていたサインなどのファンサービスも制限付きで解禁。23日からのオープン戦では声を出しての応援が再開される見込みで、球場に熱気が戻ってくる。

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〇…巨人はファンとのソーシャルディスタンスが緩和された。練習前の青島神社での必勝祈願は1、2軍の首脳陣、選手、スタッフが参加。参道を練り歩く選手たちのすぐ脇からファンが見守った。ブルペンツアーも再開され、迫力満点の投球を間近で見学できた。原監督は「ファンあってのプロ野球という点では、非常に大事なことだと思います」と話した。

〇…DeNAドラフト2位の吉野光樹投手(24=トヨタ自動車)、同5位の橋本達弥投手(22=慶大)がサイン会&撮影会に参加した。宜野湾キャンプ地の球団グッズショップで1会計につき、5000円以上(税込み)を購入した先着100人に「サイン会参加券」をプレゼント。初日は新人2人が登場し、橋本は「身近に応援してもらえる機会が増えて、素直にうれしいです」と笑顔で話した。

〇…中日は入場規制などが緩和され、ファンとのふれあいも復活した。沖縄キャンプ限定グッズなどを販売する北谷球場隣接の特設テントでは、キャンプ初日から球団公式マスコットのドアラが売り子になるなど大盛況。また、室内練習場での練習を終えた岡林らが、ファンとの仕切りのコーンまで近寄って、サインや写真に応じるなど、来場したファンを喜ばせていた。

〇…ロッテは3年ぶりにファンサービスがエリア限定で解禁された。練習後など対応可能なタイミングで写真撮影とサインのみOK。佐々木朗も丁寧に応じ、中には生まれたばかりだった3年前に抱っこして記念撮影した3歳の子にサインをした場面もあった。高部も「子どもたち本当にかわいい。こっちが癒やされます」。貴重な交流が少しずつ戻ってきた。チームはあくまでもキャンプ地限定であり、移動中などは引き続き自粛を求めている。

○…阪神は1、2軍ともにあったファン見学の入場制限が緩和され、昨年あった事前予約が不要になり、宜野座村野球場には約1000人のファンが訪れた。多くのファンの熱い視線を受け、練習の最後にはグラウンド横の坂道で強化ランメニュー。助っ人のミエセス、ノイジーも走り、見守ったファンは拍手を送っていた。また、宜野座キャンプ20周年を記念した記念碑の除幕式も行われた。阪神の宜野座春季キャンプは03年からスタートし今年で21年目。球場入り口には38選手の手形とサイン、昨年までの成績と監督名が刻まれた記念碑が設置され、當眞(とうま)淳村長は「これからも球団の要望に応えつつ発展させていきたい」と話した。