野球界の未来のために! 侍ジャパンを3大会ぶり3度目のWBC優勝に導いた栗山英樹監督(61)が27日、都内の日本記者クラブで会見し、WBCのあり方について訴えた。優勝の裏側にあった決断なども披露。自らの今後についても語った。【取材・構成=古川真弥、木下大輔】

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1時間にわたる会見で、栗山監督がもっとも熱を込めて答えた質問だった。「ルールを最初から決めておかないと。(大会が)進みながら(ルールが)変わるものが、いっぱいある。いくらメジャーリーグ主催でも、それは違うだろうと思う」。例として、準決勝の相手を挙げた。日米がともに勝ち上がれば必ず準決勝で当たるとされていたが、準々決勝前に突然“変更”が発表された。「優勝するというよりも、本気のアメリカをやっつけると思って1年前からやってきた」。投手起用も対米国をイメージしてきた。決勝で米国を倒し、結果的には良くても、足をすくわれかねなかった。

メジャーリーガーの参加条件にも問題提起した。開幕直前の強化試合2試合しか実戦機会がなく、宮崎強化合宿から参加したダルビッシュには苦労を強いた。「(NPBから)徹底的にMLBにお願いしてもらう。今の形だと、アメリカに行っている選手がWBCに参加しにくくなる。もしくは、ギリギリまで向こうの試合(メジャーのオープン戦)に出て、一発勝負で集まる形しかなくなる。日本のファンにとって、あまり面白くない」と訴えた。