三菱重工West(神戸市・高砂市)が逆転勝ちで3年連続39回目の本大会出場を決めた。

2-3の7回1死満塁で今予選、初先発出場の笹治健汰外野手(26=大阪商業大)が決勝の中前適時二塁打を放った。今予選では、代打中心の起用でも練習に明け暮れる日々だった。「結果は全然出なくて。(社会人野球では)通用していないと」。それでも「監督の顔に泥塗らないように」と打撃へのこだわりや練習への姿勢を崩さなかった。「(津野)監督には、『一喜一憂しないで』と。諦めない気持ちだけです」。社会人野球の厳しさを知る4年目が、執念の一打を喜んだ。

その裏で、選手たちはベンチからエールを送り続けた。

エースナンバーを背負う、プロ注目の竹田祐投手(23=明大)が人気漫画「ドラゴンボール」の主人公、孫悟空顔負けの“かめはめ波”を繰り出し、勝ち越したラッキー7の攻撃を盛り上げた。「学生の時からやっていて、“気”を送っています」。一見冗談にも思えたが、照れくさそうに明かした。

「7回に(かめはめ波のポーズを)やり始めてから、めっちゃ、みんな打ったので。全部(の選手の打席)でやってました。」。7回は打者一巡の猛攻。8回も追加点を加えてリードを広げた。

本大会への出場権を勝ち取る“修行”には、竹田の「必殺技」が欠かせなかった。【中島麗】