1985年に阪神タイガースファンに大阪・道頓堀川に投げ込まれ、昨年3月に見つかった日本ケンタッキー・フライド・チキンのカーネル・サンダース人形が19日、甲子園球場(兵庫県西宮市)近くの阪神甲子園店にお目見えした。“接客”するのは25年ぶり。

 表面の塗料がはがれやすくなっており、店内でガラスケースに入れて展示。同社によると今後イベントなどで出張する可能性もあるという。

 もともと道頓堀店(閉店)にあったが、阪神のリーグ優勝に興奮したファンが当時の主砲ランディ・バース選手に似ていると胴上げし、道頓堀川に投げ込み行方不明に。工事中に偶然見つかり、川底から救出された。

 85年に阪神を日本一に導いた吉田義男元監督(76)も駆け付け「顔を見たらバースを思い出した。バース本人とも対面してほしい」と笑いながら話した。

 85年以降、阪神は日本一から遠ざかり「人形ののろいでは」と言われたが、ゆかりのある甲子園球場に近い同店へ。同社は「これからはチームに限らず、みんなの守り神になれれば」と言う。

 人形を見に来た西宮市のパート従業員岡田麻里さん(46)は「24年間川の中にいて、よく帰ってきた。のろいを解いて、今年は優勝を」と声を弾ませた。

 [2010年3月19日12時28分]ソーシャルブックマーク