プロ野球の楽天とサッカーJ1の仙台が29日、東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市で迎えた、今季の本拠地初戦をともに勝利で飾った。楽天の日本製紙クリネックススタジアム宮城には2万613人、仙台のユアテックスタジアム仙台には1万8456人とほぼ満員の観客が詰め掛け、復興に向かう杜(もり)の都にスポーツの歓声が戻った。

 楽天は田中将大投手が完投し、オリックスに3-1で勝った。試合後にナインがグラウンドに整列し、楽天の嶋基宏選手会長が「絶対に見せましょう。東北の底力を」とあいさつすると大きな拍手に包まれた。

 仙台はFW太田吉彰選手がヘディングシュートを決め、苦手の浦和に1-0で快勝した。仙台の手倉森誠監督は「苦しい状況でも信念を持てば勝てることを示せた。復興と共に前に進んでいきたい」と力を込めた。

 両スタジアムは3月11日の地震で照明設備などが破損した。直前まで復旧工事を行い、震災の発生から50日目に地元で開催できる舞台を整えた。