ロッテ、阪神や米大リーグのヤンキースなどで投手として活躍、日米通算106勝を挙げた伊良部秀輝(いらぶ・ひでき)さんが、米ロサンゼルス近郊の自宅で死去していたことが28日、分かった。42歳。ロサンゼルス郡保安官事務所当局者が明らかにした。同事務所は自殺とみている。

 連絡が取れないことを心配した友人らの通報を受け、同事務所が27日に自宅を調べ、遺体を発見した。知人によると、伊良部さんは首をつった状態で見つかった。近所の人によると、伊良部さんは一人暮らしだった。

 兵庫県出身。香川・尽誠学園高から1988年にドラフト1位でロッテ入り、94年には15勝を挙げて最多勝、95、96年に最優秀防御率のタイトルを獲得した。

 96年に大リーグへの移籍を希望、移籍先などをめぐって日米の球界を巻き込んだ騒動となった末、97年にヤンキースに入団。大リーグの6年間で通算34勝35敗16セーブの成績を残した。

 2003年に阪神で日本球界に復帰。13勝で18年ぶりのリーグ優勝に貢献したが、04年に戦力外となった。日本のプロ野球での通算成績は273試合で72勝69敗11セーブ、防御率3・55。

 引退後に拠点としたロサンゼルスでうどん店を経営するなどした後、09年に現役復帰して米国や日本の独立リーグでプレー。10年初めに再び引退を表明した。