故郷の福岡を去る決断を下した杉内俊哉投手(31)は複雑な表情だった。昨年の契約更改から続いた球団への不信感を拭いきれず「個人の感情でチームを出るのはどうかなと思ったけど、感情の部分がどうしても元に戻らなかった」とこぼした。

 昨年の交渉担当者の「FAを取っても必要とする球団はない」という趣旨の発言がFA権行使の第一歩だったという。それを明かすと目に涙を浮かべ、しばらく報道陣に背を向けた。

 9割以上移籍すると思っていたそうだが、優勝パレードでファンの声援などを聞いて「本当に悩んだ」という。最後は「どのチームに行っても僕は全力で投げるだけ」と言葉に力を込めた。