巨人は25日、朝日新聞が25日付朝刊で報じた「巨人に国税が見直し指導/04年『分割払い分も契約金』」の記事に対し、朝日新聞社秋山社長あてに抗議書を送ったことを発表した。抗議書は以下の通り。

 抗議書

 貴社が3月25日付朝刊で「巨人に国税が見直し指導

 04年『分割払い分も契約金』」の見出しで報じた本件記事は、明白な誤報です。本件記事は、税務当局が、当球団と選手との契約全体を問題視したかのような誤った印象を読者やファンに与えて、誤導するものです。殊更に事実を曲解し、当球団をおとしめるための悪意ある記事としか思えません。厳重に抗議するとともに、5日以内に謝罪・訂正していただくよう求めます。下記に、本件記事の誤りを指摘すると同時に、貴社の認識について質問させていただきます。この点についても5日以内に回答いただくようお願いします。

 <1>本件記事には、「東京国税局が2004年にプロ野球・読売巨人軍の税務調査を行い(中略)分割払いされている新人契約金の会計処理について見直すよう指摘」「国税側は04年3月期までの2年間について、新人契約金の一部として費用計上を見直すべきだと指導」などとあります。しかしながら、当球団では01年、自発的に税務当局と相談し、2年目以降の支払いに関しては、出来高払いであることをより明確にした「報酬加算金」という新制度を設けています。04年の税務調査において、報酬加算金を「各年の出来高払いとして費用計上する」という税務処理の方法については税務当局から認められており、損金への算入も否認されていません。従って、見出しにあるような「分割払い分も契約金」という指導をされたという事実はありません。何を根拠に本件記事のような記述をし、「巨人に国税が見直し指導

 04年『分割払い分も契約金』」という見出しになったのかお答え下さい。

 <2>本件記事には、「巨人軍は朝日新聞の14日の取材に対し、この出来高払いについては『契約金と性格が違う』などと説明していたが、国税側は税務上、出来高払い分を含めて新人契約金としていたことになる」とあります。「出来高払いを含めて新人契約金としていたことになる」という誤った独自の解釈まで加えており、読者を誤導する意図さえ感じられます。このような解釈をされた根拠をお答え下さい。

 <3>当球団では、貴社社会部の●●●●(原文は実名)記者らに対し、3月23日に面会して取材に応じ、24日にも再質問への回答文を送るとともに、今回の記事に合わせた質問に対するコメントも別途お送りしました。特に、貴社の紙面に掲載された当球団のコメントを一読していただければわかるように、3月15日付朝刊の初報以降、一貫して、選手への「契約金」が分割払いされていると決めつけているのは間違いであること、会計処理については04年の税務調査で見直すよう指摘・指導されたものではなく税務当局に自発的に相談して01年に見直していること、その見直しは税務当局にも容認されていること、さらに損金への算入を税務当局に否認されたわけではないことなどを、明確に伝えています。このコメントを真摯(しんし)に分析・検討していただければ、そもそも本件記事は成り立たないはずであり、何らかの意図を持って掲載された記事であると考えます。取材に対する当球団の説明やコメントを踏まえてもなお、本件記事を掲載された根拠・理由についてお答え下さい。

 <4>当球団として再三説明してきた通り、選手との契約は球界のルールに違反しておらず、税務上の問題もありません。3月15日付朝刊以降、本件記事も含めた一連の報道は、2年目以降の出来高払い分を「契約金」であると決めつけ、当球団があたかも不正な契約を選手と結んでいるかのような印象を読者やファンに与える不公正で悪意あるものと判断せざるをえません。貴社に対しては、3月24日付で「質問状」を送付しているところですが、本抗議書に対しても明確な回答をいただくようお願いします。なお、誠意ある対応がなされない場合は、法的措置を取ることになりますので、あらかじめ申し添えます。

 以上