ラストゲームを終えた金本知憲外野手のあいさつ(抜粋)(甲子園球場が消灯。「4番

 レフト

 金本

 背番号6」というおなじみのアナウンスが流れ、スポットライトを浴びながら登場)。

 まず最初に生んでくれた両親、アマ、広島、阪神と野球人生にかかわってくれたすべての人に感謝を申し上げます。10歳で野球を始め、常にプロ野球選手という夢を追いかけてきました。03年に阪神に移籍して(05年とあわせて)2度も感激の優勝を味あわさせていただきました。甲子園球場は、持っている力以上のものを引き出してくれました。

 3年前に肩をけがをしてから、引退が頭をよぎるようになりました。それでも「金本の特大ホームランが見たい」「弾丸ライナーが見たい」「もう1度3割、30本が見たい」という皆さんの声に、リハビリにも励むことができました。

 今日でユニホームを脱ぐ決意をしましたが、正直、悔いや心残りはたくさんあります。チームとして2度の優勝を経験しましたが、最後に阪神ファンが一番喜ぶ「日本一」を達成したかったです。この夢は後輩たちに託すことにします。

 最後になりますが、甲子園球場の左バッターボックスでフルスイングすることはありません。ダイヤモンドを全力で走り抜くこともありません。レフトでボールを必死に追いかけることもありません。正直、寂しいです。

 (左翼を守っていると)「アニキ、夢をありがとう」というボードが目につきます。でも、それは僕がファンの皆さまに言いたい言葉です。こんな僕にでも「頑張れ」と背中を押してくれた、阪神ファンは本当に優しかったです。

 最後に…本当に夢をありがとうございました。野球というスポーツ、野球の神様、ありがとうございました。(DeNA三浦と金城、阪神関本、藤川、鳥谷、金本が最も尊敬する清原和博氏らから花束を受け取り、甲子園球場を一周。ファンに最後の別れを告げた)。