プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会(土橋正幸委員長)が29日、東京都内で開かれ、パ・リーグの最多勝利と最優秀投手(勝率1位)の2タイトルを獲得したソフトバンクの摂津正投手(30)が初めて選ばれた。

 摂津は今季、27試合で193回1/3を投げ、両リーグトップの17勝(5敗)、防御率1・91、勝率7割7分3厘、153奪三振、3完投をマーク。先発完投型の本格派が対象の選考基準は15勝、防御率2・50、200投球回、10完投、150奪三振、25試合登板、勝率6割の7項目で、摂津は投球回、完投以外の5項目をクリアした。ソフトバンクでは2006年の斉藤和巳以来の受賞。

 同じく5項目の基準を満たした広島の前田健太投手も候補に挙がり、該当者なしという意見もあったが、最終的には委員5人のうち4人が摂津を推した。土橋委員長は「過去(の受賞者)と比べても遜色ない成績だった。勝ち星が(前田健を)上回ったし、12の貯金もあった。彼の17勝がなければチームの3位はなかった」と話した。