西武ホールディングス(HD)に対する米投資会社サーベラスの株式公開買い付け(TOB)が31日、期限を迎えた。関係者によると、サーベラスが取得した株式は数%で、すでに保有している株式を含めて議決権ベースで30%台後半にとどまるとみられる。

 取得上限としていた44・67%には届かないが、全体の3分の1を超える株式を確保し、株主総会で重要議案を拒否する権利は得る見通し。サーベラスは6月1日に結果を公表する。

 西武の株主総会は6月25日に開かれる予定。今後、西武とサーベラスの双方が提案している取締役選任の議案をめぐり、他の株主から委任状を取り付ける争奪戦に発展する可能性もある。

 サーベラスは現在、西武HD株の32・44%を保有する筆頭株主。経営再建に取り組む西武を支援したが、西武側が目指す株式の再上場で、売り出し価格や上場時期をめぐって意見が食い違い、対立が深刻化していた。

 西武HDは昨年3月末時点で、創業家の堤義明氏が大株主の「NWコーポレーション」(東京)が約15%を保有するなど法人株主が多く、サーベラスが取り込みを狙う個人株主は約13%にとどまっている。