日本ハム稲葉篤紀内野手(42)が2日、今季限りでの現役引退を表明した。楽天戦前の正午から札幌ドームで引退会見を開いた。

 第一声で「私、稲葉篤紀は今シーズン限りを持ちまして、現役を引退する決意をいたしましたので、皆さまにご報告いたします」と話し、20年間のプロ野球人生にピリオドを打つことを明かした。涙はなく、笑顔を交えながら質疑応答に応えた。「(悔いは)ないです。全くないです」と言い切った。

 今季は春季キャンプ中から左膝痛を抱え、4月に手術を決断。7月に1軍復帰したが患部の状態は万全にほど遠かった。再昇格後はスタメン出場は10試合にとどまり、代打での出場が多かった。8月31日ロッテ戦(東京ドーム)の試合前に栗山監督、コーチ、選手らには報告したという。「引退を決めたのは(春季)キャンプの中頃くらいに決めました。今年、本当に進退をかけて頑張ろうと思って自主トレから始めたんですけど、(左)膝の具合がどうしても良くならない。そして体力的にも、いつもやってきたことに付いていけなくなったとか。そういうことが重なって、あとは自分の打撃ができなくなってきた。そういうことから引退を決意しました」と説明した。

 稲葉は94年ドラフト3位で法大からヤクルトに入団。1年目の95年6月21日広島戦で初打席初本塁打を放って鮮烈なデビューを果たした。04年オフにメジャー移籍を目指してFA宣言したが移籍先が決まらず、日本ハムに入団。06年は日本シリーズでMVP。プロ18年目だった12年には、史上39人目の通算2000安打を達成。国際大会でも08年北京五輪やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも09、13年と2度出場し、活躍した。