<オープン戦:阪神4-7楽天>◇7日◇スカイマーク

 大ハッスルで猛烈アピールだ!

 阪神にトレードで新加入の平野恵一(28)が「2番二塁」でオープン戦に初出場し、いきなり2打席連続ヒットの好スタートを切った。ヘッドスライディングやダイビングキャッチのハッスルプレーも連発。赤星-平野の1、2番構想を持つ岡田監督もニンマリ。キャンプ序盤の左太もも裏痛で出遅れていたが、一気にばん回し、開幕スタメンの有力候補に急浮上だ。

 飛んで、飛んで、回った!

 平野が評判通りのガッツマンぶりで躍動した。2番二塁で移籍後初のオープン戦出場。初回から見せ場を作った。楽天草野の小飛球を華麗にダイビングキャッチ。さらにその裏の初打席では、楽々セーフの遊撃内野安打に頭から飛び込んだ。4回にも一、二塁間を破り、マー君からマルチ安打を記録。さらに暴投で一気に一塁から三塁を狙った。これは憤死に終わったが、強烈な印象を残した。「いいアピールができた。結果が出て、よかったと思う」。遅れてきた新戦力が泥だらけのデビューだ。

 身長169センチの小柄な28歳はV奪還の「キーマン」だ。内外野を守れて、打撃センスもいい。岡田監督は赤星、平野の1、2番コンビでかき回す構想をもつ。新井、金本、今岡の強力クリーンアップに打点を供給するのに、最適の人材だ。待望の初登場に、指揮官も喜びを隠せなかった。「新戦力で1番見たかった選手を、やっとな。いいスタートを切ったんじゃないか。1つ1つのプレーが全力なのが持ち味だけど、もう少し周りを見てもええかな」。ハッスルプレーの連発には苦笑したが、シーズンへの期待はさらに高まった。

 イケイケのスタイルはグラウンドだけだ。安芸の2次キャンプ中に、痛めた左太もも裏はほぼ万全の状態に戻っていたが、2軍に残り、完治にこだわった。「焦りはなかった。自分でキャンプをどう過ごすか、それだけを考えていた」。レギュラー争いから出遅れていたが、復帰すれば、挽回(ばんかい)する自信があった。2打席連続ヒットがその証だ。

 8日の西武戦(皇子山)はセンターでスタメン出場する予定。二塁、外野の両方でポジション争いに参加。自慢のガッツとともに、その器用さもチームに刺激を与える。【田口真一郎】