この顔ぶれで開幕だ!

 阪神の08年開幕メンバーで野手の18人が内定した。10得点で大勝した13日の中日との練習試合は、当落選上だったプロ5年目の坂克彦内野手(22)がとどめの2点三塁打を放つなど層の厚さを見せつけた。すでに練習合流している主砲金本知憲外野手(39)が本格的に加われば、陣容は整う。バラエティー豊かな布陣で28日の開幕横浜戦(京セラドーム大阪)で、ハマのエース三浦に襲いかかる。

 V奪回を目指す開幕メンバーが、野手に限っては固まった。激戦を勝ち抜いた18人の戦士で14日から、オープン戦最後の遠征に出かける。故障、アクシデントがなければそのまま28日のシーズン開幕戦に出場登録する。岡田監督は分厚い野手陣の顔ぶれを頭に思い描きながら、満足そうに言った。

 岡田監督「まあ、今のところ18人か。神宮(15日ヤクルト戦)から金本が出場して7試合、出る人間は固まってきている。(開幕後に)何人かは外れないといけないけど(オープン戦)最後までこれでいく。後から出てくる選手も、いい内容の打撃をしているしな」。

 開幕直後に先発ローテーションの投手を6人登録する必要はなく、野手を多めに加えるのが通例。シーズン中は野手16人が基本となるが、指揮官は開幕戦には野手をプラス2することを明言した。13日の中日戦では主力が退き、控えメンバーが並んだ8回裏に打線がつながり5得点。開幕メンバー確定を思わず口にするほど、手ごたえがあった。

 中でも目立ったのが坂だ。2番でフル出場して3安打。8回の攻撃では1死一、二塁から右中間三塁打でだめを押した。岡田監督がキャンプMVPに挙げた成長株も、1軍生き残りにはボーダーライン。ライバルを見渡せば、決して気を緩められない立場だった。

 坂「レギュラーとりなんて意識していない。ポジションの前にまず、開幕1軍に残らないと。二塁だって(候補は)4人いるし、誰かを追い抜かないと」。

 関本、藤本の争いに平野が加わって激しさを増した二塁でも、若さあふれるプレーでアピールした。1回無死一塁でデラロサの鋭いライナーを横っ跳びでキャッチ。飛び出した荒木を一塁で刺し、併殺でピンチを瞬く間に消し去った。「飛ばなくても捕れたかもしれないけど、難しい打球でしたから」。今岡が退いてからは三塁にも回った。ゲームセットまで打球が飛んでこず、まだまだ動き足りない様子だった。

 坂に代表される「侮れない控え組」を取りそろえた開幕18人衆。これからは定位置争い、打順争いという次なる競争が待つ。トラの野手陣は公式戦に向けて人選から仕上げの段階に移った。【町田達彦】