<オープン戦:日本ハム4-3中日>◇15日◇東京ドーム

 中日のエース川上憲伸投手(32)が28日の開幕戦と、ライバルG倒の予行演習を終えた。15日、日本ハムとのオープン戦に先発して7回6安打2失点。今季から新しい武器となった“神様フォーク”などで6奪三振と、内容はほぼ完ぺき。球団史上最多となる4年連続6度目の開幕投手、そして2カード目のライバル巨人戦(4月3日)へ向けて準備は整った。

 川上がついに本番モードに突入した。初回、先頭の森本をストレート2球で追い込むと、最後は外角いっぱいにフォークを決めた。揺れながら落ちる軌道に森本は手が出ず、3球三振。沖縄キャンプでOBの杉下茂氏に伝授された新しい武器“神様フォーク”を完ぺきに決めた。続く田中、稲葉もフルスイングさせずに二飛、右飛。川上の気迫、充実ぶりにオープン戦の雰囲気は吹き飛んだ。

 「フォークはちょっと高かったけど、よく動いてくれた。長いイニングを投げられたし、腕の振りなども悪くなかったです」

 収穫ばかりが口をついた。ストレートは140キロ半ばをコンスタントに計測するなどスタミナの不安はなし。さらに決め球のカットボールを両コーナーに決め、スローカーブも巧みに交ぜるなど、7回6安打2失点という数字以上に内容が充実していた。

 3回、1死から稲田に打たれたソロは内角のカットボールが高めに浮いたもの。さらに6回1死二塁からの稲葉のタイムリーもカウント0-2からあえて勝負にいって浴びたもの。「正直、シーズン中であればああいう投球はしないという場面もあった。どこかにオープン戦という気持ちはありましたね」。2失点も納得ずくだった。

 開幕投手の大本命だ。今後は21日の広島とのオープン戦に登板して中6日で開幕戦というプランが予想される。球団史上最多となる4年連続6度目の開幕投手へ-。「いつ投げるか?

 こっちが聞きたいくらい。でも自分であそこかなとイメージしてはいます。いつ言われてもいいように準備しています」。チーム方針に従い、自身の登板日を明かすことはないが、川上が思い描いている日とは間違いなく「3・28」だろう。

 また開幕戦に登板した後は2カード目の4月3日巨人戦(東京ドーム)に中5日で先発することが予想される。この日はライバルと初対決の舞台となる敵地・東京ドームで完ぺきな“予行演習”を行った。「シーズンに入ってもOKというか、それぐらいの状態ですね」。エースは自らGOサインを出した。【鈴木忠平】