<オープン戦:レッドソックス6-5阪神>◇22日◇東京ドーム

 主軸が沈黙してもレッドソックスを追い詰めた!

 5-6と1点差届かず、04年ヤンキースに続く「世界一軍団斬り」には失敗したが、それでも相手を上回る10安打を集めた。1番赤星、2番平野の小兵俊足コンビが3安打で全5打点をたたき出すなど打線がつながった。岡田監督は「勝ち負けは別にして収穫はあった」と手ごたえ。23日にアスレチックスを倒し、勢いをつけて開幕に乗り込む。

 一発はなくても、ビッグイニングを作れるんやで!

 赤星と平野が快打でつながり、下位打線でたまった走者を一掃した。

 早々と5点差をつけられていた2回裏だ。鳥谷の二塁打など2死満塁と攻め立て、2打席目の赤星に回ってきた。オープン戦は9打席安打なしの打率1割6分7厘で終えていた不振のトップバッター。だがメジャー2戦目でノーヒットノーランを達成したすご腕バックホルツに食らいついた。

 赤星「たぶんチェンジアップ。メジャー相手というより、最近打ててなかったのでヒットが出てよかった。三振した打席でもいろいろな球を見極められた」。

 一塁手ユーキリスのミットをかすめて右翼線に抜ける当たりで二塁に進んだ。さらに続く二、三塁のチャンスをものにしたのが2番スタメンの平野だ。高め速球を中前にはじき返し、2人で4点を奪った。

 平野「みんながつないでいたので、何でもいいからつなごうと思った」。

 平野は続く新井の初球に二塁盗塁を決めた。得点にはならなかったが、1回表に2アーチしたメジャー軍団にはない攻めで揺さぶった。6回の1死満塁でもセンターに鋭いライナーを運び犠飛。2人の平均で169・5センチ、65・5キロの小兵1、2番コンビで、全5打点を挙げた。

 岡田監督「ボールも(メジャー球で)重くて、それほどヒットは出ないと思っていたけどな。ノーヒットノーランをやった投手と聞いていたけど、ある程度対応できた」。

 新井、金本、今岡のクリーンアップは内野安打1本と不発だった。それでもコツコツと10安打で5得点。04年にヤンキースに打ち勝った際とは別の手ごたえが、指揮官にはあった。

 岡田監督「ぶつけたらいかんからと、安藤は1回に内角を攻めなかった。行っとけばよかったというのはある。まあ勝ち負けは別にして収穫はあったよ」。

 破れはしたが、4回途中で先発バックホルツを交代させるなど、レ軍をあわてさせた。逃した金星と、つながる攻撃の最終仕上げを、23日のアスレチックス戦で完遂する。【町田達彦】