<巨人1-6阪神>◇4日◇東京ドーム

 阪神の休火山が大噴火し、巨人に逆転勝ちした。復活を掛ける今岡誠内野手(33)が4回、決勝のソロアーチを放てば、ルー・フォード外野手(31)が同点適時打、追加点のソロアーチなど3安打をマークした。オープン戦から不振を極めた2人の活躍で、チームは今季初の連敗を免れ、首位を守った。昨年8月から東京ドームで巨人に初の5連勝を飾った。金本知憲外野手(40)は2回に中前打を放ち、2000本安打まであと「3本」とした。

 必死だった。今季初の巨人戦。試合を動かしたのは今岡の一撃だ。同点で迎えた4回無死。高橋尚の外寄り速球を打ち砕いた。意地のこもった打球は左中間席に飛び込む今季1号ソロ。「開幕して一番いい打ち方でしたね。金本さんの後ろを打っているわけだからプレッシャーもある。悪いときは余計に感じてしまいますから。ホームランを心のきっかけにしたい」。強い責任感を背負いながら、打席に向かっていた。

 先頭金本を一塁に置いた2回の第1打席。外角低め速球に手が出ず三振。走者を進められず、ベンチに退いていた。2日広島戦(広島)では金本が2度敬遠され、いずれも凡退…。3日の同カードでも不発…。真価の問われる一戦で、9打席ぶりの快音を響かせ大仕事をこなした。

 本塁打量産は今季の大きなテーマだ。飛距離向上につながる筋力アップを目指し、新たに加圧トレーニングに取り組んできた。2年連続で不本意な成績に終わっただけに、執念がある。打つだけではない。6回無死での鳥谷の中前打では、二塁手前で1度立ち止まったが、中堅亀井の動きを見届けると一気に三塁へ。最後は両手を力の限りに伸ばしてヘッドスライディングした。「セーフになれと思いました」。追加点を呼ぶ気迫十分のプレーに、復活をかける思いが込められていた。

 フォードもエンジン全開で続いた。1点先制を許した2回表1死一、三塁で引っ張った打球は小笠原のグラブをはじく強襲安打。来日初打点でチームは同点に追いついた。今岡弾で勝ち越した4回に、リードを広げる1号ソロ。高め速球を左翼席に運び「積極的にいこうと思っていたら甘い球がきたね」と来日1号だ。6回の無死一、三塁は押せ押せムードに乗って中前にクリーンヒットを放った。

 3安打3打点。開幕7戦目でようやく、好調チームの輪に笑顔で加われた。東京ドームの内野席で観戦した家族の存在もカンフル剤になった。岡田監督は「当たりの出てない2人(今岡、フォード)がな。鳥谷の調子がいいから、5、7番が当たってくると打線がつながるよな」と喜んだ。今季初の連敗を阻止。再び連勝モードに入る。