新井は金本の偉業達成を勝利で祝福すべく3番の仕事に徹する。「もちろん勝ちで達成してもらいたいです」。ここまで11試合で8四球を選んでいる。4番を務めた広島時代以上のペースの訳をはっきりと答えた。

 「ボクは3番なので。うしろに金本さん、今岡さんがいるし(6番)鳥谷も調子がいい。何とかつないでやっていこうという気持ちはあります」。2000本安打のかかったアニキをたてるわけではないが、3番打者として黒子、脇役に徹する意識を常に持っている。自身の1000本安打にあと2本。現在30歳(出場1092試合)。年齢的には金本の33歳(1014試合)で到達したペースを上回るが、本人は素知らぬ顔だ。

 「2000本と1000本じゃ重みが全然違う。比べる対象じゃない。ペース?

 ボクの場合この先どうなるか分からない。こういうのは積み重ねですから」。同日達成を願う声には3秒ほど返答を考えた末「う~ん、分かりません」。その笑顔は、まんざらでもない意欲に満ちていた。