日本ハム・ダルビッシュ有投手(21)が「特別ルール」で、完全防備されることになった。次回先発が今季初の中7日で、18日ソフトバンク戦(札幌ドーム)に内定した。前回10日の楽天戦はわずか95球で完封。首位攻防の大一番で、中5日での16日西武戦(西武ドーム)の先発も可能だったが、回避する。8月の北京五輪をにらみ、登板間隔は「中6日以上」、「1試合130球以下」の条件を通年で設定。万全の後方支援で金メダル、パ・リーグ3連覇への刺客にする。

 徹底した管理体制で、大黒柱をガードすることになった。梨田監督はこの日、立川市内の宿舎で、ダルビッシュの中5日での起用を否定し、今後の方針を明らかにした。「中5日?

 それはないだろうな。ダルビッシュだって人間。1人に負担をかけるわけにはいかない」。次回は中7日でソフトバンク戦に、先発することが確実になった。

 酷使せず、星野ジャパン、チームのためにフル活用する青写真だ。昨季は両リーグトップの12完投に、北京五輪アジア予選に出場。その“勤続疲労”も考慮し、梨田監督ら首脳陣で2つの条件を打ち出した。登板間隔は「中6日以上」、「1試合130球以下」。ダルビッシュが希望しても、同条件を満たしていなければ「言うことは聞けない、無理は絶対にさせない」(厚沢投手コーチ)と却下する強い意志を持っている。

 すでに「特別ルール」は施行済み。涌井と投げ合った3月27日の西武戦では、9回の時点で132球を投げており、同点、無失点のまま降板した。前回の楽天戦はわずか95球の省エネ完封。中5日も可能で、そうなれば16日の西武戦で親友の涌井との直接対決。しかも、大事な首位攻防だが、エース投入を見送ることを決めた。

 梨田監督は「先が長い(選手なんだ)から。特に今年はオリンピックもあるからね」と理由を説明。8月の北京五輪へ万全の状態で送り出すためにも現時点で、起用法を左右させることはなさそうだ。今季、ダルビッシュは「わがままは言いません」と宣言しており、方針に従うつもり。リーグ3連覇を狙うには「1人で貯金10はしてほしい。18勝8敗とかね」という指揮官の願いをかなえるためにも、ゆとりのプロ4年目を過ごすことになる。【高山通史】