2軍で奮闘中の日本ハム中田翔内野手(19)が850~860グラムという球界最軽量バットを導入する方針であることが21日、分かった。プロ入り以来、形状や重さなど試行錯誤を続けてきたが、打撃低迷打破へ、さらなるニューバットの使用を決意した。100キロを超えるルーキー離れした重量級の体に、他に類を見ない軽量バットで、1軍昇格を目指す。

 試行錯誤を続けている中田が“球界NO・1”を手にする。19日のイースタン・ロッテ戦から使用しているウイルソン社製の860グラムのバットに続き、早ければ22日の同巨人戦から、860グラムを切るミズノ社製のバットもテストしていく。中田は「いろいろ試している段階です。重いものと軽いものとどちらがいいのか。力があるのだから、1度軽い扱いやすいバットでと思って」と説明した。

 現在は左足を上げない新打法に取り組み中だが、その一環として、バットも変える。これまでも軽量といわれる890グラムを使用してきたが、今回はさらに軽い850~860グラムのアオダモ材にチャレンジ。マリナーズ・イチローの軽いバットでも880~900グラムといわれており、メーカー担当者によれば「今850なんていう軽いバットを使っている人は(球界に)いないと思う」という。荒井2軍打撃コーチは「通常の選手はバットの重量も借りながら(投球を)はじき返すが、翔はパワーもあるし、軽いものでもボールは飛んでいく」と説明。自在に扱いやすい軽いバットで、復調へのきっかけをつかむ。

 メーカー側も苦労を重ねた特注品だ。形状がほとんど変わらない中で重量だけを軽くするには「人工的に中の水分を飛ばして乾燥させなければならない」(同担当者)ため、通常以上の時間と労力が注ぎ込まれてきた。

 22日に誕生日を迎えるため18歳最後の日となったこの日は、球場前へのバス開通式典に出席。「だんだん大人になってきている気がする。誕生日は思い切ってプレーしたいです」と気合を入れた。【本間翼】