<巨人4-8阪神>◇6日◇東京ドーム

 突撃魂が、活路を開いた。阪神平野が引っ張った打球は一塁小笠原の股間を抜けて右翼線を抜けていった。ビックイニングの4回に2死一、二塁から6点目をたたき出した(記録は失策で打点なし)。ダイビング男の前のめりの姿勢が実った。

 「きょう来てくれたファンの声援が後押ししてくれたんじゃないですか。チームが勝ったからいいです。7回は意地でも塁に出たかった」

 ダメ押しの2点を呼ぶ二塁打を放ったのは7回先頭の打席だ。9回の先頭でも右前打で相手を揺さぶった。猛打賞と大活躍したバットだけでなく、右翼に入った守備でも沸かせた。3回裏に坂本のファウル飛球を追いかけ、最後はダイビングキャッチを試みた。打球には届かなかったが、滑った先のフェンスに顔が触れる勢いだった。

 5月6日。平野にとっては悪夢の日だった。オリックス時代の06年5月6日に千葉マリンで、打球を追って一塁フェンスに激突した。その後は車いす生活を余儀なくされ、復帰までに5カ月近くを要した。それから2年。戦闘服はタテジマに変わっても、果敢に挑んでいくスタイルは変わらない。がむしゃらなプレーは、チームを活気づけている。【町田達彦】