<中日1ー1広島>◇6日◇ナゴヤドーム

 中日のゴールデンウイーク最終日は、延長12回1ー1で今季3度目の引き分けに終わった。先発朝倉は毎回走者を出す苦しい投球ながら7回1失点。リリーフ陣も無得点に抑えたが、打線が1回井端の犠飛の1点のみと沈黙。チャンスにことごとく凡退した4番ウッズ、7番李の不振が響いて手痛いドローを喫した。首位阪神が勝ったため、ゲーム差は「3」に広がった。

 普段のつぶやくような口調ではなかった。落合監督は、大きな声で言い放った。「もっと苦しめ!

 選手が音(ね)を上げてきたら、替えてやる。それまでは使い続ける」。拙攻が目立った4時間35分のドローに怒っていた。

 決定力不足だった。延長12回までに8イニングで走者を出し、うち6イニングは得点圏にランナーを進めた。しかし井端の犠飛で同点とした初回以外、あと1本が出ない。7回1死一、三塁では谷繁がカウント1-3からスクイズを空振りして、三塁走者の和田がタッチアウト。打線は11安打を記録したが、残塁も「11」を数えた。

 深刻なのはウッズと李の両助っ人だ。4番ウッズは5打数無安打2三振。4回無死一、二塁、10回2死一、二塁でいずれも凡退。この日は2併殺も喫し、リーグトップタイの5併殺となった。得点圏打率もわずか1割2分と低迷し、4番として機能していない。

 この日、初めて7番に降格した李も、4度走者を置くチャンスがありながら5打数無安打2三振。「今日は全く良くなかった」。最近5試合は21打数2安打で、打率も2割2分9厘まで下がった。結局、この日は4番と7番で完全に打線を分断された。

 引き分けは今季3度目と、144試合中3試合だった昨年の数に32試合目で早くも並んだ。延長戦通算10イニングは投手陣が失点0に抑えており、打線の決定力が必要になる。落合監督は会見の最後に「監督が音を上げることはないが、選手が音を上げたらいつでも替えてやる。(選手は)これしかいないし、替わりはいない」と再度、強い口調で奮起を促した。【益田一弘】