<中日7-0広島>◇8日◇ナゴヤドーム

 中日先発のエース川上が今季2勝目で復活した。約2年ぶりの完封こそならなかったが、8回5安打無失点、しかも無四球で9奪三振。7回まで二塁を踏ませない安定感だった。中日は今季最多の貯金「9」とし、首位阪神が敗れたため、2ゲーム差と迫った。

 エースの仕事だった。最速144キロの直球と多彩な変化球を駆使。「最近では一番よかったと思う」。06年6月6日交流戦のロッテ戦以来の完封勝利も視野に入ったが「限界も近かったし、スタミナもなかったですよ」と117球の交代に納得した。

 先発復帰を待つ4月末。「チーム防御率1点台にはひとつ秘密があるんです。それは僕が投げていないからですよ。ハハハ」と乾いた笑いを見せたことがあった。新たな戦力、吉見、川井、チェンらの活躍で4月終了時のチーム防御率は驚異の1・88。だが川上の防御率は4・58だった。だが先発復帰後は15イニング連続無失点となって防御率は2・48まで回復。「無失点は続けていきたい」と意欲を見せた。

 エースは完全復活を印象付けたが「復活といわれると1年ぐらいやってない感じでしょ。とにかく目の前の1勝を大切にしていきます」と照れ笑いした。