<ヤクルト4-1中日>◇13日◇神宮

 中日が今季初の3連敗を喫した。先発朝倉は、ほおを紅潮させたまま、眉間(みけん)にしわを寄せた。5回表、ベンチで自分の代打に出た井上の打席を険しい表情で見つめた。3失点で今季最短の4回で降板。これで3勝3敗と五分の星に戻った。

 自分で自分の首をしめた。1-0の4回無死二塁から田中浩に四球。続くガイエルへの初球フォークを暴投した。ボールが谷繁の股間を抜ける間に、ランナーがそれぞれ進塁して二、三塁とピンチを広げた。そしてガイエルの打球は、三塁後方にフラフラと落ちる2点適時二塁打。さらに1点を失って、この回は2安打で3点を奪われて、逆転を許した。「四球が余計でした。(4回は)低めを意識しすぎた」と口にした。

 鬼門突破にも失敗した。これで敵地神宮では05年4月5日の勝利から勝ち星がなく、7連敗となった。試合後は「投げるところは全然関係ないでしょう」と過剰な意識は否定した。しかし今季はヤクルトに3戦3敗。通算成績も15勝14敗となって「ツバメキラー」の称号も揺らいできた。

 3本柱の朝倉で負けて、チームは今季初の3連敗。これで5月は5勝5敗1分けと五分となった。先発投手に白星がついたのは、川上(2勝)と山本昌の3度だけ。4月まで好調だった朝倉、中田、吉見、川井らが勝てていない状況だ。森バッテリーチーフコーチは「(中継ぎの)他の投手がゲームを作っている」と言ったが、オレ竜最大の強みは先発力。その復調がなければ、安定した戦いは難しくなる。【益田一弘】