<ヤクルト8-4中日>◇15日◇神宮

 中日川上憲伸投手(32)が5回8安打6失点と打ち込まれ、今季2敗目を喫した。初回、自ら野選を記録してリズムを崩し、いきなり5失点。2回以降は立ち直ったが、ビハインドが大きすぎた。森野が左ふくらはぎ肉離れで出場選手登録を抹消された打線は、代役藤井が無安打に終わるなど穴を埋め切れなかった。チームは2カード連続で負け越しとなり、首位阪神とのゲーム差は3・5に開いた。

 川上は初回だけで4度も本塁ベースカバーに走った。田中、ガイエル、衣川、川島慶に4本のタイムリーを浴びた。次々と生還するランナーを本塁後方で見届けた。初回に打者11人、6本の長短打を浴び5失点。約30分間の攻撃が終わると、うつむいたままベンチに下がった。

 「初回から自分の気持ちを冷静に保つようにと思って投げていたのですが、フィルダースチョイス、コントロールミスをうまくつかれて、どんどん点をとられてしまって、自分でもふがいない気持ちでいっぱいです」

 悔やんだのは初回無死二塁の投手守備。2番福地の投前送りバントを三塁に送球したが、セーフになり野選が記録された。「もったいなかった」。無死一、三塁となり、その後は高めに浮いた勝負球をことごとくヒットにされた。連続無失点イニングも「16」でストップ。女房役の谷繁は「(球の)勢いは悪くなかった。ただ相手もプロだし、それに対応しないといけないんだけど」と悔やんだ。

 神宮での登板は06年9月22日以来約1年7カ月ぶりだった。明大時代から親しんできた思い出の舞台でチームを乗せたかったが、今季ワーストタイの6失点で2敗目。首位阪神とは今季最大タイの3・5ゲーム差に開いた。落合監督は初回5失点について「これっきりにしてもらわないとな。長いシーズンだからこれから軸になってくれるだろう。(前の)2試合良かったことも事実だしな」と復調に期待した。【益田一弘】