<中日6-5横浜>◇18日◇ナゴヤドーム

 鋭い打球がセンターへ抜けていった。中日和田は抑えていた感情を解き放った。一塁ベース上で両手を握ってガッツポーズ。小田には氷水をかけられ、次々に頭をたたかれた。「たまには、こういうのもいいかな!」。04年6月以来、4年ぶりのサヨナラ打に会心の笑顔を見せた。

 打席では、熱くなる自分を抑えた。5-5で迎えた9回裏2死三塁。目の前で、ウッズが敬遠された。「僕は気合が入りすぎるとダメなタイプ。冷静に頭をクリアにしようと思いました」。極限の場面でも自分を見失うことなく、横浜横山の外角直球を確実にとらえた。

 開幕から1カ月が過ぎても打撃に納得できていなかった。15日、神宮球場での練習前、落合監督に言われた。「好きなだけ打ってこい!」。主力組から1人離れて屋内練習場へ向かった。スローボールを打撃投手に注文し、黙々とバットを振った。それからこの日まで4試合連続安打。原点とも言える練習が浮上のきっかけとなった。

 今季2度目のサヨナラ勝ちに落合監督は自嘲(じちょう)気味に笑った。「勝ち方とすれば最悪。もし勝ち負けに判定があるとすれば最悪の勝ちだ。1番いいのは中田に勝ちがついて、岩瀬にセーブがつくこと。まあ、そう簡単にはいかないわな」。それでも最悪の結果を免れたことにホッとした表情だった。

 20日からは交流戦が始まる。昨季まで西武に12年間在籍した。「知っている投手が多いので多少やりやすさはある。これを機にどんどん打ちたい」。実力派のFA砲がいよいよ本領を発揮する。【鈴木忠平】