<ヤクルト3-7日本ハム>◇28日◇神宮

 日本ハムの“チルドレン”たちが、痛烈な恩返しを展開した。昨年までGMを務めたヤクルト高田監督の前で、4年前にFA移籍で加入した稲葉が1回1死一、二塁で右前に先制適時打。これで7試合連続打点となり「いいところで打てているということなのでうれしい。巨人戦で連敗していたので、先に点を取ることは大事だった」と笑顔を見せた。

 さらにこの日の主役は小谷野。バットで2安打4打点と奮起すると、7回の守備では小フライに猛然と突進してダイビングキャッチ。「無意識に飛んでいました。必死でやっていますから」。高田監督がGMに就任する05年までは、1軍出場わずか22試合の選手だった。「高田さんにはずっとお世話になりましたからね」。3年間で飛躍的に成長。正三塁手となり、チームの中心となった姿を存分に見せつけた。さらに、小谷野には恩返しがもう1つ。母校創価大の岸監督も激励に訪れていた。「これだけやれているというのを見せたかった」。感謝の気持ちが最高の結果を生んだ。

 それぞれの思いを乗せた打球がつながり、11安打7得点で再び交流戦首位タイに浮上。秋に控える、ファンへの大きな恩返しに向けてチームの快進撃は続いていく。【本間翼】