<中日4-1日本ハム>◇7日◇ナゴヤドーム

 中日川上が今季4勝目、交流戦単独トップの通算13勝目を挙げた。7回を6安打1失点、今季最多10奪三振。力でねじ伏せた。1点リードの7回2死三塁、走者が三塁にいるにもかかわらずワインドアップで投げた。「スクイズはないから力勝負」。代打三木への初球は114球目でこの日最速の147キロ。7球すべて直球で空振り三振。力士がしこを踏むように左足を踏み出し、両足を開いて腹の底から絶叫。右拳を豪快に突き上げた。

 「(ポーズは)完ぺきじゃないですかね。ここだ、これは三振とらなアカンと思った。どうやって演出しようかと思っていた」と冗談を飛ばした。

 真っすぐで勝負した。初回1死二塁で田中にカットボールを内野安打され、それ以降は封印した。「中途半端な球よりも速い方で行こうと思った。欲しい時に直球で三振がとれた」。代名詞のカットボールなしでも勝てる力を見せつけた。

 5月31日西武戦の夜、昨季まで同僚だった岡本と食事にでかけた。北京五輪アジア予選の日本代表で一緒に戦った涌井も合流。「久しぶりに自分のチーム以外の人と会えて楽しかった」。交流戦ならではの方法でリフレッシュした。

 パ・リーグに対し抜群の強さを発揮しているが「打者が慣れていないからかな」と控えめに言った。それでも「セ・パでトップはうれしい。月間MVPにもつながってくるかなとも思う」。ミスター交流戦は、さらにペースを上げる。【益田一弘】