<中日2-5楽天>◇8日◇ナゴヤドーム

 中日が「元中日勢」に強烈なしっぺ返しを食らった。06年までチームメートだった楽天先発ドミンゴに7回6安打1得点に抑えられ、2番手川岸にも1イニングでノーヒット。9回は04年に無償トレードで放出した小山に反撃を断ち切られた。先発中田は自ら2失策を記録し、8回0/3を8安打6四死球5失点の内容で今季5敗目。首位阪神が勝ち、ゲーム差は今季最大の「7・5」に開いた。

 9回、最後は荒木の打球が中堅の正面をついて敗戦が決まった。うつむき、引き揚げる中日の選手たちと対照的に、マウンドで笑っていたのは04年にトレードで放出した小山だった。ドミンゴ-川岸-小山のリレーに封じられ、鉄平に決勝打を浴びた。すべて落合中日を去った男たちだった。その事実が、敗戦を余計に苦々しくした。

 かつての同僚・ドミンゴに強烈な“恩返し”をされた。06年8月に自由契約となって中日を去った後、公式戦では初対決。2回に小田のタイムリーで1点を先制したものの、ここ2戦で3発と絶好調のウッズは3連続三振を喫した。右打者の内角に食い込んでくる直球に各打者がことごとく差し込まれた。7回まで6安打1失点。「特にイメージが変わったということはない。ただ打ち損じが多かったし、力のある高さにボールがきていた」。高代野手総合チーフコーチは悔しそうに話した。

 1-1同点の8回は06年オフに戦力外通告した川岸の気迫の投球に封じられ、9回には小山から1点を返すにとどまった。ここ2試合で6本と唯一の得点パターンだった本塁打攻勢も封じられた。交流戦打率は12球団断トツの最下位。この日、合わせて9打数1安打だった荒木、井端の1、2番コンビの出塁が増えなければ現状は打開できそうにない。

 阪神とのゲーム差は今季最大7・5まで開き、虎のしっぽは完全にかすんだ。それでも落合監督は何ごともなかったように言い放った。「7・5?

 別に関係ないだろう。20ゲームくらい離れたって、ひっくり返すよ」。ペナントレースはあと86試合。プロならばそのすべての試合で優勝を信じて戦わなければならない-。それが語気を強めた指揮官の真意だろう。【鈴木忠平】