<日本ハム2ー1ヤクルト>◇14日◇札幌ドーム

 ベンチでタクトを振るうダンディーな“リアルオヤジ”の采配が、奇跡のサヨナラ劇を生んだ。延長10回、3本の安打で無死満塁とすると、54歳の梨田監督は飯山に代えて小田、鶴岡に代えて工藤を投入した。「総攻撃というかね。守備のことを考えないでいった結果が、ああいう形になったのかもしれない」。代打の2人は倒れたが、続く紺田の3球目が捕逸となり、バックネットまでボールが転がる間に白星が舞い込んできた。

 札幌ドーム+ヤクルト戦=ミラクル!?

 の方程式が完成した。昨年5月25日。2点を追う9回、木田の悪送球で1点差に迫ると、さらに飯原のサヨナラタイムリー悪送球で逆転勝ち。チームはその後、14連勝の球団記録を樹立した。「誰も想像していない形での勝利だったね」。2年連続のミラクル勝利に指揮官のほおも緩んだ。

 交流戦12勝7敗となり、再び首位タイに浮上した。控えめな発言を続けてきた梨田監督からも「ここまできたら優勝したいとは思う。自分たちの野球がきちんとできればいい」と景気のいい言葉が飛び出した。残り5試合。昨年を思い出させる勝利を飾り、2連覇が現実味を帯びてきた。