岡田監督続投へ!

 阪神は岡田彰布監督(50)の来季続投を基本とする方針を22日までに固めた。2年契約の最終年となる今季は交流戦を終えた時点でセ・リーグ首位を独走。V奪回が視野に入る好成績を挙げていることに加え、これまでのチーム作りの手腕を評価し、来季以降も指揮を任せる方針が本社-球団間でまとまった。岡田監督が受諾すれば、一期間では歴代最長となる6年目を迎える。

 リーグ戦再開を前に、早くも岡田監督の来季続投方針が固まった。阪神球団が、岡田監督の続投を基本線と定めたことが分かった。今季が2年契約の最終年となることから、シーズンオフまでに条件等を煮詰め、正式な続投要請を行う運び。岡田監督も受諾に問題はなく、歴代最長となる6年目のシーズンを迎える。

 5年目の今季は過去にない開幕ダッシュに成功。交流戦でも最後まで優勝の可能性を残すなど白星を順調に重ねて、2位中日とのゲーム差をさらに開いた。首位独走のチーム状況はもちろんのこと、FAで新井、トレードで平野の獲得を推進するなど編成面での貢献を含めて高く評価。中・長期的な視点で常勝球団作りに携わるよう、同監督の続投を基本線として内定した。

 「好成績は見ての通りで、今、監督を代える理由はない。契約最終年だが、それ(契約)は更新すればいいだけ」。球団首脳はこう話す。25日の株主総会で正式に就任する坂井信也次期オーナー(60=電鉄本社社長)も「まだ自分が話す立場にはないと思うが、今季のここまでの好調に喜んでいる」と評価を示す。

 シーズン折り返しを迎えていない現況に配慮し、去就に関する話し合いはまだ行われていない。だがすでに続投を前提として、編成やチーム運営で来季以降にかかわる案件も岡田監督の意向を聞く形で協議している。

 球団首脳は「仮にとんでもない事態になれば動かなければならないだろうが、まず、そうならないのがベストなこと」とも話す。優勝争いから後退するなど今後のチーム成績によっては去就が見直される余地は残すが、その際もフロントが現場をバックアップする方向性が確認されている。

 岡田監督は昨年末のプライベート旅行中に「しんどいわ。もうええやろ」などと監督業に後ろ向きとも取れる発言をした。だが宮崎恒彰オーナー(65=電鉄本社取締役)が「監督特有の言い方。1年勝負にかける意気込みの表れ」という認識で本社-球団間は一致している。現在、続投に支障はなく、正式要請は前向きに受けると見られる。

 過去には石本秀一氏(36年秋から39年)、中村勝広氏(90~95年途中)と6年に渡った監督はいるが、6シーズンを全うすれば一期間では最長となる。長期政権を約束された岡田監督が、腰を据えて常勝球団を目指す。