<オリックス3-4日本ハム>◇27日◇京セラドーム大阪

 筋肉のよろいを着込んだ日本ハム糸井の体に弾かれた打球は、一直線にバックスクリーンへ飛んだ。3回2死、オルティズの直球を運んだプロ入り第1号は特大弾。「打った瞬間は(入るか)わからなかった。まさか入るとは。プロ第1号だから素直にうれしい」と振り返った。

 04年にドラフト自由枠で入団。当時は150キロを超える剛球が売りの投手だった。しかし制球難で伸び悩んで1軍登板はなし。06年のシーズン途中に野手へとコンバートされた。転向3年目、関西出身の糸井が、地元の大阪で放った記念の1発だった。

 しかし、喜びが半減したのは8回。無死1塁で打席に入ると、初球送りバントのサインを見落とし。気を取り直して試みた2球目を失敗すると、結局空振り三振。稲葉の決勝打に救われた形だが「次頑張ります」とガックリ。“初体験”はほろ苦い味だった。