エッ、本塁打歓迎!?

 阪神が誇る守護神藤川球児投手(27)が7日、マツダオールスターゲーム・ファン投票の抑え投手部門で選出された。05年以来、4年連続4度目の出場。過去にはオリックス清原との名勝負など、球宴を沸かせてきた。今季は「勝負するなら、ホームランを打たれたいです」と“珍目標”を掲げた。過去3年間は1本も安打を許しておらず、08年も「火の玉ストレート」で夏の祭典を盛り上げる。

 パの猛者に、強烈な「挑戦状」をたたきつけた。打てるものなら、打ってみろ。球史に名を残すストレートを投げ込む藤川が、今年も球宴の主役を張る。4年連続4度目の出場を決めた。

 藤川

 幸せなことだなと思いながら、ありがたく受け止めています。ファンが期待してくれていることは力勝負だと思う。できるなら本塁打を打てる打者と対戦したい。どうせ勝負するならホームランを打たれたい。

 球児流の独特な言い回しで“目標”を明かした。今季打たれた本塁打は1本。グラブには『本塁打厳禁』のフレーズを入れるほど、被弾には細心の注意を払っている。交流戦ではアーチを許さなかった。パの強打者に全力で立ち向かう。だからこそ、フルスイングで立ち向かってきてほしい-。言外には、そんなメッセージがにじみ出ている。

 すっかり「球界の顔」になった。06年の球宴では、オリックス清原との名勝負でファンを沸かせた。151キロ速球を投げ、空振り三振を奪った。その1年前の05年、当時巨人の清原からフォークで三振を奪って「チ○ポコついとんのか」と批判された。応える形での真っ向勝負。勝負に勝って「清原さんに育ててもらった」と感謝した。過去3年間の球宴出場で打者14人に対し、まだ1本の安打も許していない。球宴で投げるたびに、藤川は成長していく。

 藤川

 最初の05、06年の2年はまだまだ自分の納得いく球を打者に投げられていて対戦が楽しかったが、07年は魅せるという責任が強く、そこまで良くなかった。

 チームは50勝に到達し、首位を独走する。藤川もすでに27セーブをマーク。押しも押されもせぬ守護神として、セ2位の32万7710票を集めた。勢いだけでなく、経験も備わり、名実ともに球界トップのクローザーに成長。それでも藤川におごりはない。「年々空振りを取るのが難しくなっている。でも、気持ちだけはあるので、どんどん空振りを取っていきたい」。渾身のストレートに、ファンへの感謝を込める。