<中日2-4巨人>◇3日◇ナゴヤドーム

 3位からの巻き返しを狙う中日が、試練の8月を黒星発進した。北京五輪出場のため川上、岩瀬、荒木、森野、チェンの5人が離脱する中“開幕投手”に指名された中田賢一投手(26)は8回8安打4失点で7敗目。野手の代役デラロサ、平田はともに無安打に終わった。首位阪神とのゲーム差は今季最大に並ぶ14に開き、2位巨人にも4・5差をつけられた。

 中田は打球の行方を確認するとうつむいた。同点で迎えた7回、1点を勝ち越されてなお1死二塁、小笠原に144キロ直球を右中間席にたたき込まれた。この1発で勝負あり。「防がなくてはいけないところ。勝負どころでボール球をうまく使えればよかった…」。8回8安打4失点で7敗目。北京五輪日本代表で不在となったエース川上の代わりに球宴明け初戦を託されたが結果は出なかった。

 試練の8月が黒星で幕を開けた。球宴を迎えた時点での成績は落合政権5年目で最低となる3位。さらに川上、岩瀬、チェン、荒木、森野と12球団最多の5人が日本代表に選出され、離脱した。指揮官はウッズを5試合ぶりに4番に戻して二塁荒木、中堅森野の代わりにデラロサ、平田をスタメン起用した。だが、ウッズは9回の無死一、三塁の場面で最悪の併殺打を放つなど4打数無安打。平田、デラロサも無安打に終わった。

 「中田はまあまあじゃないの?

 あとは1、3、4、5(番)。こいつらが頑張らなくちゃ勝てん。それ以外のやつらはどうやって(1軍に)しがみついていくか。どうやって戦おうか。そういう姿勢を持っていない選手はベテランだろうが、若手だろうが、明日から2軍にいるよ。まだ始まったばかりだ」。

 この日、7選手を登録した落合監督は五輪期間中の競争激化を予告。だが、4位ヤクルトが2ゲーム差に迫っているのも事実だ。主力が戻るまで約1カ月、オレ竜にとって本当の正念場が始まった。【鈴木忠平】