<日本ハム2-4オリックス>◇13日◇札幌ドーム

 左腕宮西に代わっても、ローズのやることは1つだった。1点差に詰め寄られた9回表1死。外角へ逃げていく変化球をフルスイングでバットに巻き付ける。打球は右翼席中段へ吸い込まれる、この日2発目の28号ソロとなった。一塁ベンチに戻ると、出場のなかった清原と右手を3回合わせ喜びを爆発させた。追い上げてくる相手の闘争本能を、ひと振りで薄れさせた。

 日本ハム戦では9発の荒稼ぎだ。「(2本とも)ビッグホームランだった」と自画自賛。近鉄時代の指揮官である梨田監督の前でのアーチ量産には「関係ない」と厳しい表情を見せる。勝負に徹している姿勢の表れだった。

 ファン選出で出場した球宴明けの5戦は、18打数1安打と極度の不振にあえいだ。バランスを崩していたが、前日12日のロッテ戦(京セラドーム)で右中間二塁打を放ち、大石監督は「もうじき上がってくるかもしれませんよ」と予告。的中に同監督は「気分よくなってくれてると思うし、今日を機にガンガン打って欲しい」とうなずいた。

 連敗を止め、3位日本ハムに2・5ゲーム差と再接近。ローズの爆発が浮上の原動力になる。【今井貴久】