ダルビッシュ有投手(22)が「即先発」にGOサインを出した。24日、日本代表とともに帰国。初めての五輪では先発2試合、中継ぎ1試合で計7回の登板機会で不完全燃焼フィニッシュした。25日に日本ハムに合流後、梨田監督らと面談して先発復帰日を決める。「リリーフやったんで疲れは全然ない。そんなに投げていないし」と万全ぶりを強調し、話し合いの内容次第では、早期復帰の可能性が出てきた。

 丸刈り頭で成田空港に姿を現すと、北京とは違い厳しい表情は、柔和になっていた。「やっぱ、日本はいいな、と思いました」。3試合中先発2試合、うち1試合が“消化試合”の意味合いが強かった1次リーグ米国戦。中継ぎした23日の同国との3位決定戦でも劣勢の“敗戦処理”のような役回りだった。それでも、すっきりと気持ちを切り替えたかのようだった。

 梨田監督ら首脳陣の考えでは9月2日ソフトバンク戦での先発復帰が有力だった。だがダルビッシュは「まだ会っていないので…」。面談してから、ある程度はチームサイドの意向をくめるような含みを残した。調子も「今はメチャクチャいい」と自身で太鼓判を押すほど。グリンが体調不良を訴えるなど先発陣はやや苦しいだけに“前倒し”を打診されてもおかしくない状況だ。気持ちで投げるタイプだけに周囲の要請を受ける可能性は十分。日の丸だけではなく、もう1つエースの看板を背負う舞台へ、おとこ気いっぱいで戻る。【高山通史】