中日西川順之助球団社長(75)は8月31日、WBCの日本代表監督について、日本シリーズ優勝監督が務めるべきとの球団案を1日の実行委員会で提案することを明言した。この日の広島戦(ナゴヤドーム)の試合前、「今年の日本シリーズの優勝監督が来年のWBCの監督をやるべきだと明日の実行委員会で提案します。何のルールもなく恣意(しい)的に決めるのはおかしいでしょう」と語ったもの。

 WBCの監督人事は今日1日の実行委員会で正式に話し合う。すでにNPB側から各球団には意見を持ち寄るようにと依頼がきており、同社長は白井オーナーとも話し合った上で球団としての意見を「WBC監督は日本一監督で」に統一した。

 仮に中日案が採用され、もしチームが今季日本一となれば自動的に落合監督がWBC監督ということになる。同監督はすでにNPB関係者から代表監督就任の打診を受けて、固辞した経緯がある。開催時期が3月ということもあり、ペナントレースを最優先させる意味もあっての「NO」だったもようだ。だが同社長は「今日落合監督とも話したが『そういうルールができればやります』と言っていた」と明言。球団案が認められれば代表監督を引き受けるという言質を得たという。

 現在、WBC監督には北京五輪で代表を率いた星野監督が候補に挙がっている。同社長は「私は星野では駄目だと言っているわけではない。だが、なぜ星野なのかという理由が必要でしょう。それに代表の監督は現役監督でなくていいのかなとも思う」とあらためて持論を展開。今日、伊藤球団代表から提案される中日案は、波紋を広げそうだ。【鈴木忠平】