日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が、完投での上位たたきでクライマックスシリーズ(CS)進出を引き寄せる。9日の西武戦(西武ドーム)に続き、中5日で15日オリックス戦(札幌ドーム)の先発マウンドが有力視される。リリーフ陣を休ませる完投で1、2位チーム撃破をもくろむ。

 今のチーム事情を考えると完投は大助かりだ。武田久、建山がすでに年間50試合以上の登板をこなし、蓄積された疲労は隠せない。そんな中、西武、オリックスの2カード6戦。ダルビッシュ登板の2試合だけでも救援陣が休めれば、残り4戦に力を注げる。エースの完投という潤滑油で投手陣がうまく回転することになる。

 ダルビッシュは「完投?

 それはわからないです」と首脳陣にゆだねるが、100球以内の完投勝利が今季すでに2度ある。各球団のダルビッシュ対策として早いカウントから打つ傾向が強い。それをうまく利用する投球術もあり、昨季の12完投、今季の8完投は12球団最多と、1試合投げ切る能力、信頼度は抜群だ。

 まずは9日西武戦に向け、6日に札幌ドームのブルペンに入り調整。登板3日前ブルペンは珍しいが「2日前か3日前か、どっちかで入るようにしていますから」。CS進出に最大の踏ん張りどころとなる2強との直接対決に、エースが内に秘めた闘志を燃やしている。【村上秀明】