球児9連投で9連勝や!

 阪神藤川球児投手(28)が8日、「フル稼働指令」を受けた。9日ヤクルト戦(甲子園)から9連戦がスタート。中西投手コーチ(46)が「9連投はある。そうなるのは、うれしいこと」と起用法を明言した。2位巨人に4ゲーム差まで迫られ、首脳陣は9連戦にリリーフ陣を総動員する方針だ。

 もう、なりふり構ってはいられない。振り返れば2位巨人の姿が見える。7月9日には最大13ゲーム差あったが、猛追を受け4ゲーム差まで迫られた。9日から始まる9連戦。絶対的守護神が「フル稼働指令」を受けた。中西投手コーチは「球児の9連投はある。そうなるのは、うれしいこと。9連勝ということだから」と説明。勝ちゲームなら迷わず投入する方針だ。

 球児は北京五輪から傷心のまま帰国し、8月26日から戦列復帰。チームの不振も重なり、出番がない状況が続いた。復帰後は11試合中、2試合3イニングに登板しただけ。結果的に、蓄積された疲労が軽減された。休養は十分。復帰2戦目の6日広島戦(広島)は2イニングを無安打無失点に抑えた。直球の球威も戻りつつある。フル回転の準備は整った。

 連投-。1年前、9月上旬の記憶がよみがえる。藤川は10連投でチーム10連勝をけん引。一時は首位を奪取する、大きな原動力となった。さらに今季は「大人の投球」が目立つ。直球だけではなく、効果的に変化球を交えるスタイルも身につけた。9連投は不可能ではなく、実現はVロードが最終章に入ることを意味する。

 もちろん、フル稼働はチームの勝利のため。試合展開次第では、同点の場面でも投入される。中西コーチは「(藤川が)2イニングを投げることも当然ある。しょっちゅうというのは困るけど。ビハインドでもアッチソン、ジェフ、久保田(の登板)はある。1イニングを渡辺、江草の2人で投げさせることもある」と説明。球児を中心として、リリーフ陣全員をフル稼働させる方針だ。

 9連戦にスタンバイする先発6人には、立ち上がりから飛ばすことを求めた。「2人が7イニングを投げてくれたら、残り4人は5イニングでいい」と同コーチ。いよいよ残り26試合。V奪回に向け、最大の難所となる9連戦。リリーフ陣が底力を見せる時が来た。【佐井陽介】