<楽天6-1日本ハム>◇16日◇Kスタ宮城

 日本ハムの連勝が3でストップし、オリックス追撃ムードも止まった。仙台に乗り込んでの楽天戦は、中盤までは武田勝と岩隈の息詰まる投手戦も、7回に2番手武田久が高橋の二塁への送球をカットするのを怠る痛恨のミス(記録は高橋の失策)。このプレーで決勝点となる2点目を献上し、後味の悪い敗戦となった。3連勝で勢いに乗って臨んだはずが3連戦初戦でつまずき、この日勝った2位オリックスとは、再び2ゲーム差に開いた。

 日本ハムにとって後味の悪い完敗だった。スコア上は、楽天岩隈に3安打に抑えられた脱帽の敗戦に見えるが、想定外の失敗が4連勝をさらに遠のかせた。試合後、梨田監督は「サインが徹底できていなかった。いずれにしてもミスはミス」と、1つのプレーを苦渋の表情で振り返った。

 球場内が一瞬、あっけにとられたシーンは7回だった。先に1点を失い、なお2死一、三塁のピンチ。楽天の一塁走者高須が、渡辺直の5球目に二盗を敢行。捕手高橋が、腰をかがめた投手武田久の頭上付近を通過する低めの送球を投じ、そのまま中堅まで達した。それを見た三塁走者藤井が悠々とホームイン。痛恨の2点目を失った。

 真喜志内野守備コーチは「あれはピッチャーカットや。二塁とショートは(打者のスイングの)インパクトだけ見てから遅れて入るだけやから。チームの取り決めごとやからな」と振り返った。サイン通りでは武田久が捕球して様子を見るはずだったが…。終わってみれば決勝点。ミスは付きものだが、防御率1点台の岩隈相手に痛すぎる2点目だった。

 プレゼントの失点に、厚沢投手コーチも「やってはいけないミスだった。技術の問題じゃないからね」と悔しそうに話した。先発武田勝が7回途中まで好投していただけに、余りにも、もったいない失点だった。8回には昨年までの同僚セギノールに再び本塁打を浴び万事休す。悪い流れは止められなかった。

 2位オリックスが勝ち、再び2ゲーム差に開いた。「岩隈だから仕方ない」では片付けられない、すっきりしない敗戦。クライマックスシリーズ本拠地開催(2位以上)に向け、敵地とはいえ、最下位楽天に負け越すようなことがあれば、札幌でのクライマックスシリーズ(CS)開催が遠のいてしまう。【村上秀明】