広島の応援風景として定着した「ジェット風船」が、進化して新球場に引き継がれる。球団関係者は18日、新球場専用の風船を開発中であることを明かした。球場にJR線が隣接しているためで事故を防ぐために「飛び」を抑えたタイプになる。また球場のロッカールームが今とは比べものにならない豪華版になる。姿を変えた“聖地”がカープの来場を待っている。

 広島ファンが元祖とされる「ジェット風船」が、思わぬ存在問題にさらされていた。JR広島駅東側に建設中の新球場左翼後方には山陽本線などの線路が走る。従来の風船だと風に流されてゆうに線路まで届いてしまう。

 架線などに引っかかれば事故の原因にもなり、損害も被る。球場からの飛び出しを防ぐために現在、球団では新型を開発中だ。

 球団関係者は「カープの応援の風景として定着している。ジェット風船は球団にとっても特別な商品。何とかならないかと頭を悩ませている」。ホーム用の赤だけでなく、ビジター応援団用にも色違いの風船を用意し、使ってもらうよう呼びかける。風船の「指定」はもちろん日本初。

 新球場はソフトだけでなくハード面も順調だ。新球場は来年4月10日のこけら落としに向けて工事中。現球場との一番の違いは選手が使うロッカールーム。現在よりも格段に広くなる。選手の要望をふんだんに取り入れ、リラックス用のソファや、なんと畳敷きの仮眠室も導入される。

 外野フェンスやベンチの形状なども選手の要望が反映されたもの。ファンにとっても、選手にとっても心地のいい「夢の器」になる可能性を秘めている。【柏原誠】