広島で監督を務めたジョー・ルーツ氏が、20日に83歳で死去した。米フロリダ州のサラソタ・ヘラルド・トリビューン紙(電子版)が伝えた。ここ数年は脳卒中と糖尿病により闘病生活が続いていたという。

 ルーツ氏はインディアンスでコーチを経験した後、74年に広島の打撃コーチとして来日。森永監督の後を受け、75年に大リーグ出身の外国人で初めて監督に就任すると、燃える色だからという理由で帽子を赤にした。就任直後の4月27日阪神戦で猛抗議をして退場処分になり、試合放棄も辞さない構えに当時の球団代表がグラウンドで説得。これに不信感を抱き、同30日に辞任、帰国した。監督通算成績は6勝8敗1分け。広島はその年、後を継いだ野崎代行、古葉監督でリーグ初優勝を果たしており、ルーツ氏は広島初Vの礎を築いた。

 帰国後はプロ球界に戻ることはなく、地元サラソタでカウンセリング業や青少年の野球指導に力を入れていた。