広島は11日、来季から本拠地になる新広島市民球場のフードメニューを発表した。米メジャー本拠地を参考にしたレパートリーが格段に増える一方で従来の「広島色」も引き継がれる。新球場にはカープにちなんだ店舗を設置。選手名を冠にしたフードメニューも今後、検討されることになりそうだ。また、広島市民球場の名物だった「カープうどん」も継続が決定。新球場はカープの伝統を大切にした「フードパーク」になる。

 

 フィールドだけでなく、客席でも選手がファンを盛り上げる。「ワシは『栗原焼き肉弁当』じゃけ!」。「アタシは『マエケンの大阪風お好み焼き』(ハート)」…。新球場では、こんな会話が聞こえてくるかもしれない。フードの充実を図るべく、甲子園のフードサービスコンサルティングなどを手掛けるエームサービス社と10日に業務契約を締結。この日、担当者が新メニューについて説明した。

 「(広島球団とかかわりの深い)そういうブースを設けて、カープさんとかかわりのあるメニューを出したいと考えています」

 今季まで本拠地だった広島市民球場では、選手名を冠にしたフードメニューはほとんどない。07年に黒田(現ドジャース)がプロデュースした「黒田の男気弁当」が発売された程度だ。黒田の好物ばかりを集めたもので明太子やタコ焼きなどボリューム満点。ファンから人気を博した。山形の実家が焼き肉店を営んでいる栗原らが、新メニューをプロデュースすれば人気沸騰するのは間違いない。

 同社の親会社であるアラマーク社が米国15球場でフードサービスを手掛ける関係で、新球場には米球場をモデルにしたメニューも加わる。約80品目が登場するなどバラエティーに富み「広島色」も尊重する。メニューには広島つけ麺、カキめし、広島お好み焼きなども入っている。同担当者は「お好み焼きは大事なものですので、指導を受けながら作っています」と話し、味にも、こだわりを持つ。

 オールドファンも楽しめる球場になる。広島市民球場名物の「カープうどん」について、松田オーナーは「カープうどんは残すよ」と明言。ラーメン、焼きそばなど慣れ親しんだ味は、そのまま新球場に引き継がれる。「メジャー流」と「広島色」が共存して、新球場の魅力を作る。【酒井俊作】