<楽天0-7ソフトバンク>◇8日◇Kスタ宮城

 ソフトバンクの2年目デニス・ホールトン投手(29)が、昨年8月13日以来となる白星をつかんだ。今季初先発となった楽天戦で7回1安打無失点の好投を見せた。ベンチではまだストーブを使用するほど冷え込むKスタ宮城のマウンドにホールトンは半袖のアンダーシャツで上がった。「寒さは特に気にならなかった」。4連勝と波に乗る楽天打線を、4回までノーヒットに封じる熱い投球だった。

 初回。2番小坂に四球を与え、盗塁を許し、いきなりピンチを迎えたが4番セギノールを144キロの直球で見逃し三振。2回にも2個の四球で得点圏に走者を背負ったが9番伊志嶺から三振を奪った。リードした捕手高谷は「(ホールトンは)序盤は緊張してたのか、四球とか出したけどよく踏ん張ってくれた。今日は投手さまさまです」。継投での今季初完封に女房役の喜びもひとしおだった。

 前日7日の楽天戦では新外国人投手のローが6失点と炎上。チーム成績は2勝2敗の5分となった。しかしホールトンには2年目としての余裕があった。昨季は抑え、中継ぎ、先発と28試合に登板。この日の登板前にも「中村紀、セギノール、リック、山崎武、鉄平などに細心の注意を払って投げたい」と完全に相手のイメージを頭に描いていた。

 今季は昨年の「00」からドジャース時代の背番号「54」に変更した。背中にはメジャーのプライドを背負ったが、心はチームに向いている。「4連勝中だった楽天を止められてよかった。チームとしてクライマックス・シリーズに進出したい」。昨季最下位の悔しさを晴らしたい気持ちは日本人選手と全く同じだ。

 再びチームに貯金をもたらした右腕の快投に、秋山監督も「走者は出したけどよく投げてくれた」と笑みを浮かべた。「今季は2ケタ勝利が最低の目標」という背番号「54」が最下位からの逆襲のカギを握る。【倉成孝史】

 [2009年4月9日10時26分

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