<中日1-7ヤクルト>◇29日◇ナゴヤドーム

 中日最後の打者野本が三塁ゴロに倒れると、落合博満監督(55)は無表情でベンチを立った。ヤクルトに4連敗して今季ワーストの借金2。30日の同カードに勝っても勝率5割を下回り、就任6年目で初めて借金を抱えて4月を終えることが決まった。現実をかみしめるように、ベンチ裏に向かって静かに歩を進めた。

 また、ミスが出た。前夜は勝負どころで2失策、1捕逸を記録したが、この日も守りで自滅した。6回1死一、二塁から浅尾が暴投で走者をそれぞれ進塁させた後、一塁ブランコが一、二塁間のゴロをファンブルして3点目を献上。7回には小山のパスボールで5点目を失うなど、2失策、2暴投、1捕逸の散々な内容。昨年は4月終了時で8個だった失策が、早くも17個を数えた。

 落合監督

 らしくない?

 そりゃあ、誰しも思ってることじゃないの。選手が1番思っている。でも現状を考えないと。(荒木、井端らは)リハビリやってきた連中だ。ミスに見えるかもしれないが、体が動いていない。足が動いていないんだ。(出場選手登録した)谷繁は当分先発では使わない。無理。先は長いんだ。もうちょっとの辛抱なんだろうな。

 理想には遠いが、耐えるしかない。指揮官が目指すのは守り勝つ野球でリーグ制覇した04年への「原点回帰」。ウッズ、中村紀退団による得点力低下を覚悟し、1点を守り勝つ野球だ。現状は、チームを支えるべき荒木が左肩痛、井端は目の異常、谷繁が右ふくらはぎ痛の影響で万全でない。主力が本来の力を取り戻すのを待つしかない。

 落合監督は、小山のタイムリーによる1点止まりの打線についても、がまんを強調した。「エラーや三振しても、使わなきゃならないやつは今は使うよ。外国人もそう。うんと苦しめ。おそらく今オレがヒント与えても、わかんない。あり地獄にはまったようなもんだ」。勝負は先。現有戦力で5割ラインに踏みとどまるしかない。【村野

 森】

 [2009年4月30日11時21分

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