<巨人8-7中日>◇10日◇東京ドーム

 オレ竜が巨人に逆転負けで、早くも今季3度目の同一カード3連敗を喫した。1点リードの8回、5番手斉藤信介投手(27)が巨人坂本に逆転2ランを浴びた。敵地東京ドーム3連戦で7被弾と完全に巨人打線のパワーに屈した。借金は再び落合政権ワーストタイとなる4に膨らみ、5位に転落。首位と8ゲーム差となったが、落合博満監督(55)は「ここ(巨人)を追っかけられるのはうちだけだ」と宿敵への逆襲を宣言した。

 ベンチも、ファンも一瞬で意気消沈した。1点リードの8回2死二塁、リーグ首位打者の坂本に右サイドハンドの斉藤をぶつけた。カウント2-1から谷繁の要求は内角低めのボール球。だが、斉藤の投じたシュートは真ん中寄りへ。次の瞬間、打球は逆転2ランとなって左翼席に消えた。

 「腹をくくって投げたんですけど…。もう少し内に投げられていればよかった」。今季初黒星となった斉藤は悲痛な面持ちで振り返った。「(投手と)互いに意図したボールじゃなかった。こっちの意図が伝わっていないということはこっちが悪いんでしょう」。リードした谷繁は吐き捨てた。序盤の3点リードを5回に逆転されたが、8回に立浪と井端の連続タイムリーで再逆転に成功した。最悪の3連敗を免れたと思った矢先の1発に、ショックは隠せなかった。

 巨人打線の「空中戦」に屈した。この日は2度リードしながら小笠原、坂本に逆転弾を浴びるなど3被弾。敵地3連戦で合計7被弾した。05年から4年連続で巨人に負け越しのないオレ竜は「空中戦」に対し、投手を中心とした守りと機動力で対抗してきた。だが、今季は巨人に2度の3連敗を喫するなど早くも7敗(2勝)と圧倒されている。

 ただ、敗戦後の落合監督は結果とは裏腹に笑みを浮かべながら収穫を口にした。「みんなようやく動き始めたな。あとはそれをどうやって勝ちに結びつけるか。これから始まると思えばいいんじゃないか」。守備の名手・井端、荒木に本来の動きが戻ってきた。不振だった3番森野が4安打した。結果には結びつかなかったものの、指揮官は上昇の気配を感じていた。

 巨人の背中がかすんでいく8ゲーム差。これ以上離されるわけにはいかない。「ここ(巨人)を追っかけられるのはうちだけだ。これから追っかけますよ」。今は指揮官のこの言葉を信じるしかない。【鈴木忠平】

 [2009年5月11日11時36分

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