おめでた合流、6・5甲子園デビューへ。阪神の獲得が内定した元西武のクレイグ・ブラゼル内野手(29)が、6月5日オリックス戦(甲子園)でデビューする可能性が24日、高くなった。さらにブラゼルのレイニー夫人が第1子を妊娠中であることも判明。現在は妊娠4カ月で出産はシーズン後の予定、プレーに支障がないことも確認された。26日にも来日する新助っ人候補は、生まれてくる子供を励みに沈滞するチームを救う。

 虎の救世主が、本拠地デビューする可能性が高くなった。ロッテ戦が雷雨によって中止となったこの日、甲子園を訪れた坂井オーナーはブラゼルとの交渉について「順調なのでしょう」と話した。

 ブラゼルは、26日にも来日する予定。メディカルチェックなどの手続きが順調に進めば、6月上旬の合流が見えてくる。チームは今月30日から日本ハム2連戦(札幌)さらに6月2日から楽天2連戦(Kスタ宮城)と遠征が続くために、ブラゼルのデビュー戦は6月5日オリックス戦(甲子園)になる可能性が高くなった。

 新たな事実も判明した。球団は、今季獲得したメンチがシャナ夫人の出産のために8月末に一時帰国することを認める方針を示していた。新たに獲得するブラゼルにも同様の懸案事項がないか、くわしく調査を行った。その結果、B砲のレイニー夫人が現在、妊娠4カ月であることを確認。その上で少なくともシーズン中はプレーに支障がないという結論に達している。

 ブラゼルにとって、第1子の誕生は大きな発奮材料になる。西武に所属した昨季は10月4日に頭部死球を受けて調子を崩し、1年で退団となった。今年は子どもの存在も励みにして、米独立リーグ球団のセントポール・セインツで今季7試合で打率5割8分1厘、4本塁打、12打点と大爆発。その活躍が阪神の目にとまった形だ。阪神での挑戦は日本球界へのリベンジという意味合いもある。

 チームは23日のオリックス戦で連敗を「5」でストップしている。しかし和田打撃コーチは「最後はカネ(金本)頼りになっている。1日で終わらないようにしないといけない」と打撃陣に危機感を募らせている。メンチは事実上の戦力外となっており、1日も早いブラゼルの試合出場が求められている。坂井オーナーはこの日の激しい雷を引き合いに「あれぐらい爆発してくれたらいい」と期待した。第1子誕生を控えたブラゼルが、高いモチベーションで6月5日にも甲子園に立つ。

 [2009年5月25日12時9分

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