タカ狩りで首位浮上だ。中日の主砲トニ・ブランコ外野手(28)がセ・リーグ初の交流戦優勝とMVPを狙う。交流戦2位のチームは、30日から同首位のソフトバンクと2連戦(福岡ヤフードーム)。連勝すれば首位に立つ。交流戦トップタイ4本塁打と好調のブランコは賞金200万円のMVPも射程圏にとらえている。それだけに交流戦Vには並々ならぬ意欲を見せた。

 ブランコの目が鋭さを増した。29日、ソフトバンクとの交流戦首位対決を控えたチームはナゴヤドームで練習を行った。そこで、セ・リーグの球団が交流戦で優勝したことがないのを知ると「本当かい?

 もちろん、すべての戦いに勝ちたい気持ちはある」。推定年俸2700万円のハングリーな助っ人らしく、意欲に満ちた反応だった。

 交流戦優勝チームに送られる賞金5000万円に加え、MVPの賞金200万円を手にするチャンスもある。現在、交流戦の打撃成績は4割1分9厘、4本塁打、6打点。本塁打はトップタイ。打率は4位の好位置につけている。チームが優勝すれば、原動力となった主砲は有力なMVP候補になるだろう。

 この日もフリー打撃で快音を連発したブランコは交流戦での好調の秘訣(ひけつ)について、こう話した。「知らない投手ばかりだが、まずはストライクを振るということだね。少しストライクゾーンが小さく感じるから」。パ・リーグはストライクゾーンが狭い傾向がある感じている。普段よりゾーンを絞ってストライクを待てることが好結果につながっているという。

 もう1つは球審との“友好関係”だ。「外国人選手がよく審判に文句を言っているのを見るが、僕は審判と戦うのではなく自分と戦うようにしている。ケンカしても仕方がない」。オープン戦では日本のストライクゾーンに戸惑って腹を立てたこともあったが、球審に抗議することで自分を見失っている他球団の外国人選手たちを反面教師にした。前日28日楽天戦では落合監督が抗議で退場となったが、ブランコは“無抵抗主義”を貫くつもりだ。

 3月、オープン戦でのソフトバンク2連戦(福岡)は8打数無安打。だが、その時とはまったくの別人になった。「今はもう100打席以上、経験したわけだから」とにやり。自慢のパワーで交流戦首位奪取を狙う。【鈴木忠平】

 [2009年5月30日11時45分

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