<ソフトバンク9-5中日>◇30日◇福岡ヤフードーム

 大黒柱に異変か?

 中日が先発チェン・ウェイン投手(23)の早期降板に泣き、借金生活に逆戻りした。3日前にかぜをひいたチェンは左肩に張りを訴えたもようで、3回2/3を4安打4失点(自責2)で今季最短降板となった。勝ち負けなしに終わり、防御率を1・53に落とした。打線は一時同点に追いついたが、救援陣が突き放された。防御率1点台をキープする左腕の故障が深刻なら、今後の戦いに暗雲がたれこめる。

 チーム1、2の安定感を誇るチェンが、左肩を気にするそぶりを見せながらベンチに下がった。0-3の4回2死一塁。「手当を行っておりますのでしばらくお待ちください」と場内アナウンスがあった直後、交代が告げられた。今季最短3回2/3。登板した全8試合で100球以上投げていたスタミナ自慢が、わずか63球で降板。敵地福岡ヤフードームがざわめいた。

 チェン

 最初からしんどかった。肩は大丈夫です。2、3日前からかぜをひいていました。調整不足?

 そうですね。球にキレがなかった。

 チーム方針で詳細は明かされていないが、左肩に張りを訴えたもようだ。かぜの影響によるものかは不明。1、2回こそ完全に抑えたが、140キロ台後半が当たり前の直球は144キロ止まり。しかも、制球がままならない。3回、本多に打たれた中越え先制2点二塁打も、外角を狙った140キロが内角高めに抜けたもの。味方が1度は同点に追いつき「負け」が消えたのが、せめての救いだった。

 チェン早期降板の影響は大きかった。スクランブル登板した救援陣が、踏ん張りきれない。5-5の5回に2番手長峰が2点を勝ち越され、8回に5番手平井がダメ押しの2点を献上した。ソフトバンクに連勝すれば交流戦首位に浮上していたが、これで借金生活に逆戻りだ。

 今後に不安も広がった。チェンの回復に時間がかかり先発ローテーションを外れる事態になれば、投の柱が1本欠ける。この日打たれれても防御率は1・53。本来の力を発揮すれば、他球団から最も恐れられる投手の1人だ。落合監督は「見ての通りです。他には何もない」と、それ以上の質問を受け付けなかった。新たな心配の種ができた竜は、もどかしい戦いからなかなか抜け出せない。【村野

 森】

 [2009年5月31日11時51分

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