大ベテランがついに帰ってきた。中日山本昌投手(43)は4日、ナゴヤドームで行われた1軍練習に約2カ月ぶりに合流した。5日にも出場選手登録され、早ければ6日のロッテ戦(ナゴヤドーム)で即先発の可能性がある。山本昌にとって今季は歴代2位タイの22年連続勝利もかかっており、2カ月遅れの初白星を狙う。

 ベテラン左腕に待ちに待った出番が回ってくる。この日、ナゴヤドームに姿を見せた山本昌は選手やスタッフにあいさつすると、キャッチボールやランニングなどで汗を流した。4月13日に登録を抹消されて以来となる1軍練習。山本昌は「まだ登録されたわけではないんで」と前置きはしたが「投げるチャンスがあればしっかりと頑張りたい」とその言葉には自然と力が入った。

 救世主として期待がかかる。防御率1・53と抜群の安定感を誇っていたチェンが左肩の張りで1日に登録を抹消され、チームは左の柱を失った。また、ここ6試合は先発投手に勝ち星がついていない。開幕からちょうど50試合を消化して、先発投手陣にも疲労が蓄積している。森バッテリーチーフコーチは「いないから(山本昌が)必要なんだ」と話した。チームが苦しいときこそ左腕に期待がかかる。

 大きな記録に王手をかけている。山本昌はプロ初勝利を挙げた88年から21年連続で白星を記録中。今年も勝利を挙げれば工藤(横浜)の23年連続に次ぎ、米田(近鉄)と並び史上2位、セ・リーグ新の22年連続勝利となる。あと1勝で新たな勲章が加わることになるが、「ああそうなんですか?

 まあ、ずっとやってればついてくるもんだから」と204個の勝ち星を積み上げた不惑の左腕は気にするそぶりはない。

 調子は上向いている。今季初登板となった4月12日の広島戦(マツダ)では自己最多失点となる4回10安10失点でKO。その後は2軍生活が続いていた。しかしウエスタン・リーグでは3連勝中。ここ2試合は連続で7回をゼロに抑え、17イニング無失点を続けている。

 「たくさん投げさせてもらっているから、それなりに出来てきたかなと思う」と手応えを口にした。今季は46歳工藤(横浜)、41歳下柳(阪神)ら40代のベテラン投手が次々に勝利を挙げている。「みんな頑張っているし、そろそろ頑張らなくちゃいけないね」。遅ればせながらマサの季節がやってきた。【桝井聡】

 [2009年6月5日10時19分

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